センター長ご挨拶
オートファジー・抗老化研究センターは奈良県立医科大学初の本格的な研究センターとして2024年4月に設置されました。
当センターでは、特に細胞内分解システムとして知られるオートファジーに着目した最先端の老化研究を推進し、得られた知見をもとに将来的にはヒトの老化や疾患の抑制につながる新たなシーズ創出を目指します。
この目的のため、当センターが学内共同研究のプラットフォームとして機能し、基礎、臨床と緊密な共同研究を進めてまいります。
また、産業界や学外の研究者とも連携を深め、今後センターをオートファジー、老化研究の国際的な拠点として、また地域住民や国民の健康を加速する社会活動の拠点として発展させてゆきたいと考えております。
本センターの活動に対して皆様のご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。
センターについて
現在我が国の65歳以上の人口は総人口の29%を占め超高齢社会に突入しています。
急激に進行する超高齢社会において、健康寿命の延伸は、個人の生活の質(Quality of Life)を高める上でも、また社会保障負担軽減の観点からも重要な課題となっています。
このような状況の中、なぜヒトを含めた生物は老化するのかのメカニズムを解明し、科学的エビデンスに基づく抗老化の実現は喫緊の課題として求められています。
以上の背景から、奈良県立医科大学は、2024年4月1日に「オートファジー・抗老化研究センター」を設立し、健康寿命延伸の鍵として注目される”オートファジー“に着目した研究を、全力をあげて推進してゆきます。
‘オートファジー’とは、酵母、植物、ヒトを含む動物など、多くの生物に備わっている、細胞内の分解・リサイクルのシステムで(図1)、
東京工業大学の大隅良典栄誉教授は、このオートファジーのメカニズムの発見で2016年のノーベル生理学・医学賞を受賞されたことは有名なお話です。
オートファジーの働きをモニターし、自在に活性化することができれば老化を予防あるいは遅らせ、健康寿命の延伸が実現できるかもしれませんが、ヒトにおける科学的エビデンスが圧倒的に少ないことが応用面でのボトルネックです(図2)。
本センターではオートファジーと老化の関連解析のエキスパートである本学生化学講座の中村修平教授のもと、医学部の強みを活かし様々な基礎、臨床の講座、そして企業などと連携し、種々の共同研究を実施することで課題を克服しオートファジーを通した新たな抗老化と究極の予防医学の実現を目指してまいります。
アクセス
〒634-8521
奈良県橿原市四条町840番地
基礎医学棟2階
TEL : 0744-22-3051 (内線2228)